ドイツかぶれの徒然

英語が嫌いで気づいたらこうなっていた。思い出したように更新するただの生存報告になりつつある

最近読んだ小説 星系出雲の兵站/数字で救う!弱小国家

またまたご無沙汰しております。月イチ更新くらいは意識しないと続かないかもしれないですね。

相変わらずコロナ環境下にも関わらず、前回更新より一層三密環境かつ窓も開けられない部屋で外勤の人たちと一緒の職場になり、しかも例年より仕事量も増大するという世間とはかけ離れた状態に陥っております。

ということで日頃の楽しみがKindle小説を読むことぐらいになっているのですが、その中で一気に全巻読破を果たしてしまった二作を紹介したいと思います。布教用にリンクを貼りますがアフィではありません。

 

一つ目は「星系出雲の兵站」シリーズ、春頃に最新刊までを一気読みし、つい先週木曜に完結しましたのでその日のうちに読了しました。

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本格的な宇宙戦争SFであり、遠い未来の人類対異星人の戦いを描いています。タイトルにもある通り双方兵站の限界の観点から行動が制限されていく展開となっており、どれだけ科学技術が進歩しても、あるいは異星人文明であっても物量の許す範囲でしか戦争できないのだなと思わされます。

ところで「兵站」という言葉は「後方支援」に比べて物資の移動に重きをおいた言葉なのかなと思っていましたが、通信や衛生、近年現実でも重視されているPTSD対策なんかにも触れられています。

無印の4巻と比べ、「遠征」編は兵站色は減り異星人の正体に迫る謎解き編となっていきます。次々と仮説が提示されては否定されていくその過程が面白い。そして終盤に向かって侵略してきた異星人への見方が大きく変化していきます。

星界シリーズや航空宇宙軍史の愛読者層には大変おすすめの作品です。

 

次は一気に軟派となり、「数字で救う!弱小国家」はカクヨム発の異世界転生もの、前から漫画版を読んでいましたが原作一巻の終盤部分にあたる展開に本当に感心してしまい全巻購入と相成りました。

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魔法がなくてもチート武器がなくても、現代数学の知識は十分すぎるチートである、という作品。

そして「出雲」以上に兵站管理と兵站への攻撃、敵の兵站情報収集の話が多いです。基本的に英雄譚の形態を取ることが多い異世界ものの中で、戦場以外で勝ちをもとめる戦略家の話は少なく(というか、それを書ける作家が・・・)、玉石混交のネット発小説の中に埋もれてほしくない作品です。

今の所キリのいいところまで話が進んでいるのでこのまま完結なのかもしれませんが、数学と戦争というと割とすぐ思いつく暗号と曲射の話がまだ出てないので今後の登場に期待したいです。

ちなみに途中からルビに登場する「リクスキャンセラー(Rikskansler)」はスウェーデン語で王国宰相の意。ドイツ語だとReichskanzlerですね(いつもながら、申し訳程度のドイツ要素)。

そしてちゃんとヒロインたちも可愛いです(重要)。可愛そう系王女に仕えたいものです。

 

四則演算もできない上司じゃなくて。