ドイツかぶれの徒然

英語が嫌いで気づいたらこうなっていた。思い出したように更新するただの生存報告になりつつある

「ジェネレーション・ウォー」観ました

明けましておめでとうございます。

仕事が忙しくつい更新を疎かにしてしまいましたが、はやぶさ着陸時には復活したいと思っています。

その前に年始に表題のドラマを観ましたので、その感想を簡単に。

ZDF制作で、一人間としての兵士や戦時中の市民の目線で作られた戦争ドラマです。原題は「Unsere Mütter, unsere Väter」、我らの父母たち、といった意味。その名の通り、ドイツ人にとっては自分たちの先祖の物語であります。なんだよこの邦題は

正義感の押しつけや、英雄的活躍や、説教臭さや、奇跡などはない、ただひたすら戦う、闘う若者たちの物語。殺しを楽しむワルでもなく、倫理に苦悩する聖人でもなく。想い人に思いも告げず、東部戦線への冒険行へと向かった将校の兄、兵士の弟、従軍看護婦の少女。そしてベルリンに残った歌手志望の女と仕立て屋の男。五人に降りかかる運命とは。

ってことであとは見てください。

そして唸った面は、ユダヤ人迫害は何もドイツ人の専売特許でなかったことを描いているところ。ともすればドイツの放送局がこういうことをするのは批判の的になっているのかもしれないが、これもまた事実なのでしょう。東部戦線でユダヤ人の女子供を乱暴狼藉するのはウクライナ人の補助警察で、ポーランドパルチザンも農民もユダヤ人は見つければ殺すという態度。むしろプロイセンは異民族に寛容だったので、周囲の国より北ドイツのユダヤ人は平穏に暮らしていたのでしょう、ナチ党が政権をとるまでは……

そのことを示唆するシーンも幾らかあります。ユダヤ人の父が規則に従う模範的なドイツ国民として振る舞おうとする場面。そして好きなシーンでもあります、「ライヒスバーンに限ってそれはありえない」というセリフ。彼らもまた戦争前は、ドイツ国民としてのアイデンティティーを持っていたのでした。

あとスターリンのオルガン怖いまじ怖い。

普通の映画より相当長いではありますが、ドイツ側から見た戦争、やられ役や悪役でない生身のドイツ兵を知りたいなら必見のドラマだと思います。