ドイツかぶれの徒然

英語が嫌いで気づいたらこうなっていた。思い出したように更新するただの生存報告になりつつある

題名◯ない音楽会(隠す気なし)

DREAM SOLISTERにまどマギに進撃にとあるので見たけど……

あの司会者、ユーフォという楽器自体をしらなかったなんて本当に音楽家?

以前は吹奏楽聞いたことがないって……

しかもそれを堂々と口にしてしまう辺り、無知をさらけ出してもなんとも思ってないんですね。

流石に彼の個人的ファン以外はそろそろ疎ましく思ってるんじゃ。

オーケストラ至上でしかもバイオリンがその支配階級に位置するという、徹底的な差別意識がなきゃあんな発言はポンポン出ないでしょうよ。

ああじゃないとソリストって務まらないのかな? だとしたら、良き演奏者は口を利いてはいけないということになりそうですね。

早くまともな音楽番組に戻って欲しいです。

 

”ディストピアもの”のディストピア観

再び完全な思うまま雑記。ディストピアが何かはぐぐってうぃきってください。

 

ディストピアもの”には勿論作者の(そして社会の)考えるディストピアのあり方が反映されている。それは実世界において最も忌避されることであるからディストピアものとして成り立つ訳で、逆に何が最も奪われたくないものなのか、何が最も恐怖の対象なのか、そういうものを浮き彫りにしている。そうしたことは、時代によって変遷しているんじゃないか、と思いついた次第。

思いついた時は「1984年」とTRPGの「パラノイア」くらいしか思い浮かばなかったけど、調べてみたら「地球へ」「シャングリ・ラ」といったものもディストピアものに該当するなと思った。他方「コードギアス」や「図書館戦争」をこの枠に入れるのはどうかとも思うけど、関連しているのは確か。

「1984年」はナチス打倒直後、昨日の友であったソ連が今日の敵として東欧をより苛烈に支配し鉄のカーテンを敷いた時代にイギリスで書かれた。描かれているのはスターリニズムがより極端な形となって行き着く先の社会と読み取れる。

一方「パラノイア」や「地球へ」だと支配者はコンピュータである。これらの作品が作られた時代にはコンピュータが人間を支配するのは暗黒の未来図であったが、現実はどうなっているだろう? この記事は果たしてコンピュータ様の検閲を受けるだろうか?

シャングリ・ラ」はアニメで見ただけなので今度改めて原作も読みたいと思うのだけど(今、熱烈に読みたい)、「図書館戦争」も含めて前の時代の同ジャンル作品と違うのは、少数の敵を作って大衆を憎悪に向かわせるのではなく、大衆に対して反論しづらい善行(CO2削減、不良図書の排除)を強要するという社会体制であるという点ではないか。これは「最後の喫煙者」も同様に見れるかもしれないが。

全部に共通するのは、主人公サイドは反乱者でなければならないということ。これは小説作品として主人公or語り部or視点が読者にとって理解できる存在でなければならないという限度があるから仕方ない。ワトソン役を使ったところで、ディストピアの体制側を描くのはなかなか難しいものがあるのかもしれない。

 

ということで、誰かいいディストピアものの作品知ってたら教えて下さい。

 

言葉の指し示す範囲のズレ

画像もないダラダラ雑記です。

しばらくやっていたTrainFever Wikiの客貨車リペイントリスト作りが火曜だったかに終わりまして……ちょっと逃避したくなったので40件弱分を缶ビール片手に一気にやった後寝て起きて更新したんですが。

その裏話というにはTFの話題から離れるかなと思って脱線しながらこっちで。

 

リスト作りで翻訳をしていて、全く日本語になっていない概念や単語にぶち当たるということは滅多にないので(Gummiringfeder-antriebとか未だに文系には手に余るんで翻訳できてないけど)、むしろ辞書や翻訳サイトで引っかからない時も日本語でなんというのかということを調べるほうがメインです。とりあえず自分で訳しておいて後から修正することもありますし。

そんな中で、日本語とドイツ語とついでに英語で同じ意味のようで違う意味を持つ、咬み合わない訳語に時々出会うので思いつく範囲で……

 

1.Triebwagen ≠ Multiple-unit ≒ 動力分散方式

Triebwagenを直訳すると動力車になります。なので本来的にはモーターやエンジンなお動力を持っていて、かつ客室ないし荷物室を持つものがTriebwagenです。モハとかキユニとかですね。ちなみに付随車はBeiwagen、制御車はSteuerwagenと言います。そして固定編成の電車はTriebzugと呼んでいるっぽいんですよね。

ところがTF.netでもそうなのですが、他の場面でもTriebwagenという言葉でいわゆる電車や気動車の編成一式や、そこに含まれる付随車や制御車を併せて扱っていることが見受けられるように思います。

一方で英語のMultiple-unitは総括制御、二両以上の動力車を片方から遠隔制御するシステムのことを差すわけで、これだと単行の電車は含まないんでしょうね。こっちのほうが動力分散方式という語には適する気がします。

逆に日本語で単行の電車や気動車を差して動力分散だと主張することのほうが無理があるのかも。

 

2.Wendezug = Pendelzug = Push-pull train ≒ プッシュプル列車

日本の鉄界でも割とペンデルツークという言葉は広まっている気がしますが、実はこれはスイスでの言い方でドイツだとWendezugだったりします。

機関車が後押しして推進運転し、制御客車が先頭に立つのが一般的なスタイルだとは思いますが、スイスだと機関車ではなく電車がついていたりとか、しかも事実上の固定編成だったりとかするのでもうTriebzugとの区別をどこでつけていいのやらという感じ。

さらに両端が機関車というスタイルのものもあります。TGVとかICE 1がこれですが、あまりWendezugと呼ばれている感じではない。固定編成だと定義から外れるのかな? さらに最近は機関車が中間に入って前後とも制御客車なんていう列車もあるのですがこれもWendezugなんですかね?

そして日本語のプッシュプルは、日本での推進運転の例が少ないこともあってか両端が動力車のものだけを指していることがあるよう。片側だけが動力車という時は、まんまペンデルツークと呼んでいる事が多いかもです。

 

3. Abteilwagen = コンパートメント車 ≠ Compartment coach

これはおやっと思ったものですが、英語のCompartment coachは通路がなくて扉が沢山ある、シャーロック・ホームズダウントン・アビーに出てくるスタイルのものだけを指すらしいんです。ホグワーツ急行で使っているようなのは(Side) Corridor coachなんだそうで。でもドイツ語でも日本語でもこの二者は特に区別してませんし(区別する必要があればどちらも「通路付き」的な言い方をします)、日本語は英語由来の単語のくせに英語よりドイツ語の語意に近いという現象が起こっています。

これに関連して困るのはGroßraumwagenのほうです。こっちのほうが日本では当たり前すぎて、区別する語が必要とされていないんですよね。一応、開放客室という言葉を見つけたので使っていますが。

 

この間ゴミ箱に「カン・ビン」しかなかったのでペットボトルはどこに捨てようという場面で、「ドイツ語だったらどっちもFlascheなんだしー」と言ったことがありますが、これは日本語では瓶をガラスという意味を含んで使っているのが悪い。どうにも、同じ言葉を使っていながら言葉の意味が変遷していくというか、下手をすると話し手と聞き手で違う意味に取ったりしているから、日本語ってめんどくさい。

そして往々にして正しい日本語とか主張する人ほど、自分たちの都合の良いように言葉を曲解するのが好きなんですよね。

凪あすの聖地巡礼してきました

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というよりは、海が見たくなったので眺めてきたのですが。この日は静かな太平洋でした。そういえば凪あすは海辺なのに鳶のでてくるシーンがないですよね。鴎は出てくるのですが。

日曜に近鉄で松阪へ、そこからレンタカーで波田須・新鹿へ。アタシカは今まで遭遇した難読地名の中でも結構上位かも。昔は栄えていたのに~感がありますが、高速が開通して手近な秘境になっています。しかし、これを起爆剤にしてどうこうというレベルではもうなさそう。海水浴客のほかは凪あす関連しか人が訪れてないんじゃないだろうか。

波田須は聖地としてのあれこれより、なぜ山の中腹にへばりつくようにして集落が存在するのかが気になりました。今は港がないのですが、ひょっとしたら最初はあったのかも。湾が開けすぎているので条件は厳しそうですし。徐福の伝説があるそうですが、それで解決しちゃえない性分なんですよね。しかし漂着民が拓いたというのはありえそうです。

しかし天女座が一杯になるほど凪あすファンが押し寄せていたのは驚きました。もう二年になるなんて信じられないというか、やはり私と一緒でじわじわくるというか、見るたびにハマるという人が多いのでしょうか。私も今頃になって熱心に布教活動してますし。

 

にしても、来期見るものがねえええ……

「あきすい」第一回公演に行ってきました

一昨日昨日と東京にいました。

いやぁついに念願かなっての「三日月の舞」生演奏を聞いてきました。やはり吹奏楽の生演奏には特別な価値があるというか、全身に魂に響いてくるものがあります。

そして勢いで全CD購入。

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(なんでいつもホルンの娘なんだろう……)

残念ながらというべきか最速ゆえに起こってしまったというか、当日のコンサートCDを当日に即売するというすさまじいことに挑戦した結果、とんでもない場面にノイズが乗るという事態になっています。データを飛ばすほどの気迫?

クラシック業界はいざしらず、吹奏楽の魅力はこういう音楽が楽しすぎて勢い余った感じが前面に出てくる所だと思うので、本当に良い演奏会だったと思います。特に最後の全員合奏は(私は楽器トーシロなので参加しませんでしたが)、アニメ音楽好きが本気でやるお祭りって感じで思い出に残りますね。ずっとハイトーンで吹いていたトランペットの人、割と年配の方じゃなかっただろうか? 本当の音楽がここにある、って感じでした。

 

難点を言うなら拍手のタイミング、みんな拍手したくてウズウズしてたのにユーフォの曲が終わるまでは~というアナウンスだったので、トゥッティまでの組曲なのだと思い込んでいたのでは。私もその一人ですし。

拍手を制御したいなら、舞台袖に一人拍手を先導する係のサクラを置いておく……といった芸も必要だったかもですね。

 

翌日は所沢に行って飛行機眺めたり……

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靖国神社で桜が咲いたというので見に行ってみたりしました。

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あと行き帰りののぞみがともに700系でした。割と珍しいんじゃないかな?

 

P.S. CDの良品木曜には届いていました。一発勝負ゆえの躍動感ある音、本当にいいものです。

ドイツの鉄道信号について(3・終)

3-1. 機械式信号機

鉄道信号機としては初期に開発されたもので、日本ではもう風前の灯しびですがドイツでは割と残っているのは前々回言及したとおり。

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(Hauptsignal – Wikipedia)

左が停止Halt!、真ん中が進行Fahrtです。では右は?

これはゆっくりしていってね緩速進行Langsamfahrtですが、これを日本の注意現示と混同するべきではありません。なぜならH/V信号の場合(Hl,Ksは異なる)、この現示は分岐の手前にある信号機で、分岐側が開通している場合のみに現示されるからです。

もともとプロイセン邦有鉄道の信号機を元にしている国営鉄道の信号機ですが、Eisenbahn-Signalordnung von 1907という個人サイトに載っているプロイセン時代の信号ルールだと二腕の信号機のどちらも斜め上に上がっているのは「分岐側に進行」という意味になっています。なお三腕だと「違う分岐側に進行」……三線以上に分かれる時に制限速度の低い方を表すのかな? 夜間灯火が全部緑色なのも興味深いですね。現在は二腕で下の腕木が上がっているときは黄色灯火です。

日本だと分岐の手前には分岐元×分岐先の数だけ信号機が並べられているのが基本ですが、ドイツだと分岐元の数だけです。それに加えて分岐先の速度を示しているように見えるのでスピードシグナルのように見えますが、元々制限は示していません。プロイセン時代の二本目の腕は進路表示器のようなものだといえます。

では現在はどうなのか? というと緩速進行現示だけなら40km/h制限がかかります。が、前回紹介した速度指示器が付属している場合そちらの現示が優先です。日本では60km/hの速度制限標識と45km/hの注意現示があったら45km/hで運転ですが、ドイツでは速度指示器が8を現示しているなら80km/hで、16を現示していれば160km/hで分岐器を通過します(そんなにいい分岐器はめったにないだろうけど)。

ですから言い換えるなら、緩速進行現示は分岐側へ進行できるという進路のみを意味しており、その制限速度は速度指示器に指示されているものに従う、標準的な40km/h制限の場合は速度指示器の設置を省略可、となると思います。故に、H/V信号システムはルートシグナルであると私は考えています。

前置信号機も見てみましょう。

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(Vorsignal – Wikipedia)

それぞれ、停止予期Halt erwarten、進行予期Fahrt erwarten、緩速進行予期Langsamfahrt erwartenです。

主信号機ともども、分岐がないところに設置されるものは緩速進行の現示をする必要がないので、主信号機は一腕のものを、前置信号機は円形板のみのものを設置することになっています。しかし分岐しないところの機械式信号機は早々に姿を消したと思われるので、ドイツの腕木式信号機といえば腕二つ、というのは向こうの鉄界隈でも強いイメージのようですね。

3-2. 色灯式信号機

1935年に最初の形の色灯式信号機は制式化されたようですが、普及は戦後を待つ必要がありました。

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(H/V-Signalsystem – Wikipedia)

上段の大きい四角のほうが主信号機です。駅周辺の信号機には併置されている入換標識が下にひっついています。

一番左は全点灯、左から停止、進行、緩速進行、入換許可です。左上の赤は何に使うんだろう?

ちなみ分岐のない閉塞信号機の場合は同じ大きさの背板に左下に赤・右下に緑の二つの灯火だけがある信号機を使ったようです。

さて駅周辺の信号には必ずと言っていいほど入換標識があるのだから、一つの機械にまとめてしまえというのが下段です。他にも停止信号が横二つ並びになり、腕木式信号機と同じようになっている上どちらかが破損しても大丈夫になっているのが特徴ですね。

このスタイルは50年代後期には登場していたようですが、後に緑色と黄色の灯火が左端にずれた形のものが69年規格製造形式Einheitsbauform 69として登場しました。

さらにコンパクト信号Kompaktsignalというスタイルのものもあり、現在更新中っぽいです。それがこち

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(H/V-Signalsystem – Wikipedia)

左は主信号と代用信号、中央は主信号と入換標識と代用信号が一つの背板に収まっています。右は前置中継信号機Vorsignalwiederholerで、左上の白灯を消せば前置信号機になります。どうやら主信号機に対して中継信号機を設けるという習慣はないようですね。

(2017.6.29追記:Vorsignalの中継器というネーミングではありますが、日本における主信号に対する中継信号機と同様の役割のようです)

 

これでH/V信号システムについて一通りのことは書いたかと思います。ようつべで前面展望を見るときにでも参考にしていただけたらいいかと。もちろん、TFやその他ゲームや模型でのシーナリーづくりにも。

とは言えH/Vは古いシステムで現在は主要路線からより高機能な(とはいえ、やっと日本の3灯式信号に追いついただけとも言える)Ksシステムに変更されつつありますし、写真には出ていた東ドイツのHlやベルリン・ハンブルクSバーンのSvシステムも使われています。これらとか、スイスやオーストリアの信号とか、あるいは標識類とか、需要とやる気があればまた書くかもしれません。

では今シリーズはここまでで。質問やツッコミお待ちしております。

ドイツの鉄道信号について(2)

 

2-1. 入換標識と車両停止標識

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写真はまたしてもコブレンツです。いちおう展示スペースから撮影してますが、完全に現役線とつながっている……

前回目立っていた「W」形の標識と黒い四角に円盤の入った信号?が写っています。別にしゃがんで撮っているわけではないので、かなり高いところに設置されているのが解ります。

どちらも入換作業で使われる標識で、W形のほうは車両停止標識Wartezeichenで、四角い方は機械式の入換標識Schutzsignal(Sperrsignal? どっちが正式なのかな)です。この二者はTFのMODでも一揃いで出ていますね。車両停止標識のほうは見たまま停止位置を表示しているだけなので、入換標識について主に見ていきます。

入換信号機と入換標識の日本での違いはぐぐるなりうぃきるなりしてもらうとして、入換信号機と訳さなかったのにはそのもの入換信号機Rangiersignalというものが別に存在したためです。

色灯式のものも併せて現示を見ていきましょう。

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停止・進入禁止

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停止

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進入禁止相殺

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入換走行を許可

 (ドイツ語版Wikipediaより転載)

両者で少し意味合いが異なります。恐らく機械式のほうは現場の担当者がすぐに現示を切り替えられるのに対して、色灯式のほうは遠隔操作されるからとかそういう理由だと思います。何れにせよ、進行せよという指示ではありません。そこが入換信号機ではないとする根拠でもあります。

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こちらはニュルンベルクで展示されている信号たち。一番左端が色灯式の入換標識の小人信号Zwergsignalです。

左から二番目はSバーンで用いられるSv信号、真ん中のものがH/V信号の色灯式信号機、その右は不明(追記:どうやらバイエルン時代の信号機です)、その手前は前回解説した機械式前置信号機で、一番右は主信号機それも三腕のものです。

2-2. 代用信号

写真の真ん中の色灯式信号機には一つの柱にいろいろついています。一番上の四角い背板に四つの灯火がついているのが主信号機、下の菱型っぽい八角形に四つの灯火がついているのが前置信号機です。そして真ん中は、事故の記事でも登場した代用信号Ersatzsignalです。

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(ドイツ語版Wikipediaより転載)

手信号代用機と同じようなものと紹介しましたが、本当に一緒といえるかはよくわかっていません。意味は主信号が停止信号を現示しているか、故障して何も表示していない場合にこの信号がついていれば通過できるということなので、使い方は手信号代用機と同じだと思っています。

色灯式のものしかないのも、多分機械式の時代には駅員が直接手信号を出していたからだと思います。なお現在は腕木式信号機に対してもこの代用信号だけ色灯式のものをつけているという例も多いようです。

2-3. 速度指示器

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ニュルンベルクの信号機たちその二。手前はH/V色灯式信号機の主信号に入換標識が一体化したもの、二番目は東ドイツで制定されたHl信号、奥は統一後の幹線で広まっているKs信号……だと思います。真っ黒でよく見えないけど。

H/Vの上には四角い箱状のものが乗っていて、Ksの上には三角形の板に「3」と書いてあります。これが速度指示器Geschwindigkeitsanzeigerです。

器って言っても板のほうはただの制限速度標識と変わらないんですが、箱状のものはLEDの灯列で数字が表示されます。こういうのも灯列式信号っていうんですかね?

数字はkm/hの10分の一で、3なら30km/hを意味します。20とか表示されることもあります。もしこれが先の線路状況の色んな要素を含めて表示されるなら完全にスピードシグナルなのですが、H/V信号との組み合わせの時は分岐器の速度制限を表示しているだけなので結局進路によって表示が変わる速度制限標識です。

前置信号機とともに設置される速度指示予告器Geschwindigkeitsvoranzeigerもあり、板のものは白い部分が黄色くなり形状も下向きの三角形に、灯列式のものはLEDが黄色になっています。これは色灯式信号機に対しては前置信号機の下に取り付けられます。機械式信号機に対しては速度指示器も予告器も信号機の下につくようです。というか上にはつけられないよね。

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キールからハンブルクに戻る間に車窓から撮ったもので、H/V信号の色灯式「コンパクト」信号機です。一番上に速度指示器が乗っています。

 

これでH/V信号機と一体化して設置されている信号や標識は一通り説明できたかと思います。次回は主信号機の年代別の種類(とはいえ写真でだいたい登場しましたが)と、現示の見方を説明したいと思います。