ドイツかぶれの徒然

英語が嫌いで気づいたらこうなっていた。思い出したように更新するただの生存報告になりつつある

der Kaiserwetter

謹んで天皇陛下の御即位をお祝い申し上げ、滞りなく一連の代替わりの儀式を終えられましたことをお喜び申し上げます。

さて、即位日当日は祝日なにそれで出勤していた上に、少し楽しみにしていた官僚たちの衣冠束帯は雨天中止となってしまう始末。しかし式典の最中は晴れ間も見えた由、また延期されたパレードの日は快晴となり、こちらもちゃんと休みだったのでコーヒー片手にじっくり中継を眺められました。

天も寿ぐかのようなこの天気は、エンペラーウェザーとしても話題な様子……エンペラーウェザー? そんな言葉あったのかな?

ドイツかぶれとしては、ドイツ語で快晴を意味する言い回し、"Kaiserwetter"のほうが先に思い浮かびました。手元の独和辞書には載っていませんでしたが、独Wikiによるとオーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の誕生日が快晴であったことと、ドイツ帝国の皇帝ウィリアム2世が登場した国家的祭典での晴れが由来とのこと。

いずれにせよ19世紀頃の言葉ですが、20世紀中葉に入ると例の伍長のために転用され、それからは廃れた言葉なのかもしれません。

私がこの語を知っているのは佐々淳行氏の著書に出てきたからですが、そこでは昭和天皇大喪の礼のときの天気をして、涙雨と同様の意味で使われていました。

このエンペラーウェザーという流行語がKaiserwetterを訳した結果生まれたのかどうかは知りませんが、また一つ、ドイツ語由来語が英語に駆逐されてしまった気がして少しさびしいドイツかぶれでした。

では、ドイツ語で天皇陛下万歳を称えて締めたいと思います。

Lang lebe der Kaiser!