インターシティの客車
いろいろ写真を撮ってきたので何回か続けてまとめたいと思います。
今回はIC1と呼ばれることも増えてきた、従来型のIntercity-Wagenたちについて。
前回紹介したレア車というのはこの写真…の二両目。なんで形式写真撮ってないんだ俺!
先頭車はBimmdzf287で旧東ドイツの「UIC-Z型」客車をIR用に改造した車両をIC用に格上げしたもの。IC用として改造されたBpmmbdzf286とともに多くのインターシティの先頭または最後尾に連結されています。
そして二両目はこのBpwmz125。車内の写真は前回紹介しましたが、1+2座席でピッチも広く、とても二等車とは思えません。
この車両は1962年から65年にかけてF-ZugおよびTEE用に製造された「ラインゴルト型Rheingold-Wagen」客車で、元一等車が今は格下げされたものです。
他の車両より狭い窓が並んでいるのが特徴的です。流石に古いので、先は長くないものと思われます。
こちらはAvmz109。ラインゴルト型に引き続いて1965年から1975年にかけて製造されたTEE用客車、「ヘルベチア型Bauart Helvetia」。ラインゴルトともども、最初に投入された列車名が系列名になっています。
TEEは一等車と食堂車のみで構成された豪華国際列車で、ドイツ国鉄の受け持ち列車のうち客車はこの二種類で構成されていました。その後、国内列車としてIntercityが1971年に運行開始したときも一等のみでした。
割とたくさん作られたので、今でもICの一等車で多く見かけられます。
1976年から一部、79年には全てのIntercityは二等車を連結し、パターンダイヤとともに現在に繋がる姿となりました。
その時に連結された二等車が標準的な長距離客車だった「UIC-X型」別名「m-wagen」で、電磁吸着ブレーキを装着して最高速度200km/hで運転できるよう改造されました。
その後IC用からは撤退し、IR用に改造され、そしてまたICに返り咲いたのが写真の車両、Bimz256。冷房はついていないらしいです。
二等車のm-wagenは珍しいようですが、ビュッフェ車であるBoardbistroは全てm-wagenです。ARkimbz266と改装されたARkimmbz288があるのですが、外観からの見分けはつかない……この後すぐ発車してしまったので、車番も撮影していません。
m-wagenとTEE客車は日本でもかなり導入されたミンデンドイツ式(実はMinden-Deutzであって国名とは関係ないのです)台車を履いています。
現在主力となっているのは、この系列。「Nachfolgeserie der Eurofima-Wagen」と呼ばれているようですが、どう呼んだものか。写真はBpmz294で全て開放客室ですが、一部コンパートメントとしたBvmzという車両もあります。
1979年から製造されたこの系列は、Eurocity用に各国共同で導入したEurofima客車に引き続いて製造されたもので、冷房完備でプラグドア装備なのはEurofima客車と同じなのですが、台車が日本のS型ミンデンに近い軸バネ構成になっています。
ミュンヘンで撮影したこの列車のように、一等車はヘルベチア型、ビュッフェ車はm-Wagenの改造車、制御車はUIC-Zの改造車でほかはこのEurofima後継型というのが、もっとも一般的なICの編成じゃないかと思います。
車中からのヘボ写真ですが、Eurofima型を。ドイツには珍しい板バネを使わない台車が特徴的です。というか、素直にこの型を量産しなかったのは、この台車が気に入らなかったからじゃないんだろうか?
そして、IC2の写真ありました。考えてみると前回書いた不満の大半って扉配置に起因するので、中間車もこの先頭車みたいに低床部分に扉を置けばいいだけじゃないのかなと思ったり。一部の普通用二階建てもそうなってるんだし。
スイスのIC2000は低床部分に出入り口があり、背もたれの裏側に荷物も置けて、さらに貫通路が二階にあって移動はスムーズ、そして200km/h運転もできるとIC2にないものを全部持っている感じなのですが、車両限界をオーバーしてるのと、多分お高いんだろうなぁ。
今後は現行の平屋建てICは引退してこの車両やICEに置き換えていくことがアナウンスされているわけですが、やはり200km/h発揮できる路線にわざわざ160km/h運転しかできないIC2を投入するのは不自然に思われるので、ICE網の拡大となるのかさらなる新型IC客車を用意するのか、何かありそうだと思うのですが、どうでしょうね。