ドイツかぶれの徒然

英語が嫌いで気づいたらこうなっていた。思い出したように更新するただの生存報告になりつつある

君の名は。は一般向け作品なのか

アクセスログを見てると、どうやら「この作品って自分でも楽しめるのかな?」といった動機で検索されてここにたどり着く人が多いようです。

個々人の事情まではわかりませんが、私から言えるのは「この作品に興味を持って検索している時点で、貴方はこの作品を楽しめる人だ」ということです。

騙されたと思って映画館に行って下さい。

※ここまで追記

 

目が覚めると、新海さんの作品が大ヒットしてメジャー監督になる夢を見ていた気がする。

んなわけないと思ってニュース検索してみたら、なんか今日も興行44億とかわけのわからんことが書いてある。

そんな経験、前からの新海ファンならここ二週間ほどしているはず……てか、多分新海さん自身がそんな感じなんじゃなかろうかw

さて、自分も見てきてから一週間たつし、このスパム状態を終わらせるべく叩かれそうなことでも書こうかと思う。

※以下、ネタバレつーか未見の人には徹底的に誤解されそうなことを書きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※いいですね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この映画は、パンチラありブラチラあり胸揺れあり、何度も胸は揉みしだくし、大人の事情光線はあるし、果ては巫女さんが白い液体をトロトロ口から出して、それを男の子が飲んじゃうような映画です。あとヒロインが「変態!」って叫びます」

こう書かれたら、どれだけ下品な映画かと思うだろう。でも嘘は言っていない。

ところが、どうやらこの映画は大ヒットしてるし、カップルで見に行くべきとか(いや、気の合う二人なら何見ても大丈夫だろうけど、付き合い始めとかでこれは実際きついと思うぞ)、子供にも見せられるとかいわれている。ついでに、文化庁補助金まで出ている。

今までの新海作品にはこうした要素はあまりなかった。星追うでお風呂に入っていたのはトトロのオマージュだろうし、特に星追うの製作時期はトトロのお風呂シーンも児童ポルノかとか騒がれていた時期でもある。(ちなみに新海さんが世に出たきっかけの一つに、石原慎太郎が「ほしのこえ」を見て絶賛したということがあったりする。

それから5年しかたってないけど、時代は変わってパンチラぐらい現実にもあるんだから描写したって悪く無いだろうという時代になった、と思う。「言の葉の庭」も男子高校生が合法的に年上お姉さんの生足を撫で回すために作られたような作品だが(ニコ生で本音漏らしちゃう新海さん……w)、「君の名は。」はもっと際どいシーンが多いのは上に上げたとおり。なお、生足も相変わらず艶めかしいです。自分はローファーフェチで多分新海さんも好きなのでいつも注目して……いや、脱線脱線。

前作よりも上映規模が拡大した映画でむしろ微エロなシーンを増やしたのは、よりオタク向けとして作ったんではないのか、という気がするのです。絵柄も一般的なアニメ絵になったし、珍しくろりっこも出てくるし。どちらかとうと今までのほうが上品に作られていたし、NHK教育に出しても恥ずかしくない内容だった。

でも、皆さん御存知の通り教育テレビとか文部省推薦(あえて旧名)なんて、大人の事情が多すぎてつまらないよね?

要はこのヒットの原因って、「一般向け」「大衆向け」という誰にも響かない作品ではなく、宮崎アニメなら見ているよ程度のライトなオタクから、新海作品15年来のディープなファンまで、アニメの文脈を理解できる人全てに向けて作られてるからじゃないかと思うんです。

そして、大人たちが気づかないうちに今の10代~20代は大体この中に入っちゃっている。そして、嘘くさい上品さより、清濁両面あるリアリティを求めていたから、こんだけ色々サービスシーンやらフェチなシーン入れても大きく叩かれることなくヒットしてるんだと思う。

前も書いたように新海さんはエロゲのOPも作ったりしていましたし、既存のアニメスタジオに所属したこともないわけで、今まで「一般向けアニメ」に課せられていた表現の自主規制に囚われるつもりは毛頭なかったんじゃないかと思います。

というか、これが一般向けならどっかで横槍が入っていた可能性が高いわけで、関係者含めて誰も一般向けだと思ってなかったんじゃないかな。小学生とかに見せるのは多少無理があって、それよりは対象年齢高めな映画だと思う。夏休みの盛期を公開時期から外したのもそういう意図かも。

やっぱり新海さんは宮﨑駿のポジションには座れないと思う。パヤオロリコンだけどそれを子供向けアニメの皮でしっかり覆い隠してた。新海さんは……隠し切れてないw

アニメを最初に見る子供にはみせちゃいけない、でも深夜アニメみたいなディープなところまでいかない、橋渡し的な位置づけになるんじゃないかな。一般向けとオタク向けのアニメはかつては全然別で、今はかなりお互い近づいてきたとはいえその違いははっきりしていますが、「君の名は。」以後はこの区別はかなりシームレスなものになると思う。まぁ、けいおんNHKが夕方にやり始めたり世の中全体そういう動きになってますが。

そして、こんなアニメ全体のジャンル分けを書き換えるような映画に補助金を出した文化庁GJ。