ドイツかぶれの徒然

英語が嫌いで気づいたらこうなっていた。最近は「君の名は。」ネタばかり書いていてタイトル詐欺

改めて「君の名は。」の大ヒットを考える。

ワケガワカラナイヨ
なんか三週目の土日も前週越えだとか、二位以下と動員数が一桁違うとか、意味不明なヒットを続けている『君の名は。』。今日あたり『シン・ゴジラ』の興行収入を越えるとか。どうしてこうなった……
まぁ、自分はシンゴジのほうはどうせテレビでやるだろうと思って見に行ってないんですけどね。
ということで、以下は専門家でもない新海信者による、この現実をどう認識したらいいのかうだうだ理屈を捏ねた過程の記録です。

 

1.なんで特撮とアニメがワンツーフィニッシュなのか
以前までは、「なぜ新海作品がいきなりここまでウケたのか」と考えていたのですが、ここまでくるともうなんか違いますね。この問いから始める必要があるかと思います。
これは主に技術の進歩の側面から言えると思います。一方には家庭用のテレビがどんどん性能が上がって、映画館で見る必要性がどんどん薄れて来たこと。これはもう前からなわけで、だんだん映画全体が低迷していくのも仕方ない話。
他方その中でわざわざ映画館に映画を見に行く理由って、「作品世界への没入感」を求めてるからだと思うんですよね。特撮技術とアニメ技術は年々進化していて、その需要に応える力を磨いてる。(特撮のない)実写映画なんてジャンル、私にはもう業界のしがらみと惰性だけで続いてるようにしか見えません。
創作物である以上はその作品世界は何がしか虚構であるわけで、そこへの没入感を高めるためには、画面いっぱいを虚構で埋め尽くさなければならない。しかし同時に現実感を持たせなければならない。特撮だと前者に苦労があり、アニメだと後者に苦労があることになります。
新海作品が映画として高く評価されるのは、定評ある美術と音声で極めて現実感の高い虚構世界を作り上げるからと言えるでしょう。シンゴジ見てないけど、そっちも虚構のディティールに拘ってることは聞こえてきますし。
ちなみに、同じ論法で時代劇にはまだ未来があると私は思ってますよ。『武士の家計簿』とかの路線が好きですね。あとは虚構の量と現実感のバランスをどうとるか、です。

 

2.なんでこんなに想定外のヒットなのか
幾つか考えられるんだけど、一つにはやっぱり宣伝。それなしには前作からのこれほどの跳ねっぷりは説明できない。けど、他の作品と比べてそう宣伝が多かったとも思えないので(まだテレビでCM見てないんですよ。天然水は見たけど)、ここまでのヒットになった要因は他に求められなければなりません。
よく言われているのは中高生の口コミ効果の絶大さでしょう。で、それを説明するのにさらに二要因を考える必要があって、その一つは語りたくなる、お勧めしたくなるストーリーの妙。まぁそこは他のネタバレ記事に譲るとしてですよ、もう一つは若年層の総ライトオタク化。少し下の世代の話を聞くと、信じられないほどみんな深夜アニメ見てるんですよ。ジブリ亡き後()の世代に中高生やってた彼らは、子供向けアニメの次に見るものがいきなり『とある』『Fate』『物語』などのシリーズだったりする。
けど中高生は深夜アニメの主な収益源であるDVD購入には手が届かないから、商売上の数字には現れてこない。だから東宝の中の人もここまで巨大な潜在需要があったことには気づいてなかったはずです。今後この層狙いで商売するアニメは増えるだろうけど、さて、中高生を子供と馬鹿にせずに満足させた上で、口コミを爆発させるだけのものが作れるかどうか。

 

3.ほかの人でもこの仕組は真似できるのか
できない(断言
口コミが爆発するにも起爆剤がいるわけで、そこは新海さんのコツコツ積み上げてきた名声が功を奏したとしか。新作の特報が出た時点で地球の裏側で話題になる映画監督、今の日本には他にいないんじゃ? (パヤオが復帰したらそりゃ話題になるだろうけど)
今までは宣伝されてなかったから大ヒットしなかったという言い方もできるけど、逆に言うとゴリ押し宣伝や大ヒット作もないのに、なんだかんだと知名度がじわじわ上がってきていたのがすごいと思う。
やはり『秒速5センチメートル』が9年前のインディーズアニメにも関わらず未だに各所で話題になるのはすごい。そしてそれは、ニコ動でエンコテスト用動画扱いされていたように他の追随を許さない破格の美麗さと、核クラスの鬱爆弾として知られる破壊力あるストーリーを兼ね備えているから。とにかくこの二点では突出して並ぶものがない作品でしょうよ。
秒速は絶対、劇場で見たなんていう極小数の人より後からネット動画だとかレンタルだとかで見た人のほうが多いと思う。ついでに、秒速って『君の名は。』で新海さんを知った人にはとりあえずはおすすめできない。けど、『君の名は。』より後に秒速を見た人の感想ってものが一度見たかったりする。例外なく精神破壊されてそうだけど……
何しろこれほど売れない、けど長年にわたって話題に上るような強烈な作品が出てきた背景には商売抜きで新海さんに好き勝手作らせていたコミックス・ウェーブminoriの存在が大きいと思う。にも関わらず、minoriと決別したあと(※)の『星を追う子ども』は少なくとも商売的には大失敗だった。結局、足フェチ映画『言の葉の庭』でやりたいことをやる路線に戻ってきたけど、数年遠回りして「知る人ぞ知る」だった状態が長続きしたことが、今回の人気大爆発につながったんだろうなぁとも思う。
ここまで揃っていたら、やっぱりこの大ヒットも必然だったのかな……って気になります。まぁ関係者含め、誰も予想していないことではあったでしょうが。まぁ誰も真似できないですしするべきじゃないですよ。

 

なんたって映画一本使って口噛み酒フェチとか言う新ジャンルを日本中に布教してしまったのですから……

 

※『星を追う子ども』の制作協力にminoriの名前がありますので、この点は言いすぎたかもしれない。ちなみに酒井伸和さんの名前もあります。とはいえ、秒速までとは関係性が大きく変わったのは事実かと思います。

君の名は。と昔のminoriOP

 

やっぱスパム終わらないっぽい。

新海さんの作ったminoriOPを見ていたら、こんなものを見つけた。

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どうやら「はるのあしおと」のオープニングはこっちらしい。1:08からのシーンがデモムービーと異なる。

この「線路から踏み出すことで自由になる」「電車を降りて自力で道を切り開く」モチーフは「君の名は。」のラストシーンまで続いていくものだし、こんだけ動かしてる絵なのに埋もれさすのは勿体無いですよminoriさん……

同時期制作の「雲の向こう」でヴェラシーラが線路から飛び立つのも、単に格好良いからじゃなくて意味があっての選択だったのかなと思えてくる。

他の人も「はるのあしおと」と「君の名は。」を比較してたから被りになってしまうけど、都会と田舎の対比や目覚めのシーンはよく似ている。ただ、都会の代表格がまだ中央快速線201系ってのが時代を感じるところですね。ホームで佇む少女はもはや定番。というか佇まなかった作品の方が珍しい。

実は新海さんが鳥居を描いた最初の作品? とも思ったりする。未プレイなのでストーリーに絡むのかわからないんだけど。カーブミラーに写り込んでます。よく見るとガードレールの反射材とか、道のディティールがすごい。キャラはこの頃のエロゲ絵なので浮いてる感もあったりしますが。

最初と最後に出てくる小学校は上田の旧西塩田小学校……だったはず。「雲の向こう」にも出てきますし、「君の名は。」で消滅した建造物として紹介されている中の四葉の通ってた小学校も同じ所がモデルじゃないでいでしょうか。どうやら糸守の建物は旧作の聖地からかなり引っ張ってきてるみたいなので。

なんといっても傘を開くシーンが有名なOPだけど、今になって細かく見れば見るほど見甲斐のあるショートムービーです。

 

これが書きたかったがための記事なので後は蛇足みたいなもんなんですが。

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efのOPも同じように見ると、落ちると昇るの差があれどひたすら空のシーンから始まるところ、人物のアップから引きながら回って遠景になるところなど、カメラワーク的にはやっぱり原点なんだろうなぁと思います。ひたすら夕暮れ時ですし。カタワレ時の盛り上げ方はこのOPを思い出しました。

細かいところだと久瀬がヴァイオリン弾いているところで月の半分が紙飛行機に隠されます。半月は「君の名は。」で超頻出でしたね。あと壊れた街の道路に佇むシーンが、糸守の道路に似ている印象が……あんなに上下の勾配が連続する道路って不自然じゃないですか。普通は上るなら上る、下るなら下るをなるべく長く続けようとするはずで。

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後編のほうだと、水の描写が急激に進化してます。雨は「言の葉の庭」でほぼ全編通してやったから今作だとあまり凝ってなかった感じもしますが、二人の再会はやっぱり雨上がり。そして、口噛み酒トリップの最初のところの表現にも通じるものがあります。あとは、手を伸ばすシーンでしょうか。

efのOPは新海さん制作というより、新海さん監督作品なので、個人のテイストは若干薄れているのかもしれません。

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はるのあしおと」より前の「Wind」だと、より新海さん個人で作ってる感があります。新海雲の初登場かな? 空だけで季節の移り変わりを表現するシーンも出てきます。

個人的に注目したいのは信号。ちゃんと路面電車の到着に合わせて動作するんですよね。腕木信号も出てきますし。この信号に対するこだわり、「雲の向こう」「秒速」と出発反応信号を登場させたりしたところにつながりますし、「君の名は。」だと信濃町の歩道橋のシーンですね。

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これはminoriの初作品ということで、新海さんの独自色が出てるところはさらに少ない気がするのですが。でも、星が降るシーンありますね。

というより、これ相田裕GUNSLINGER GIRLの)がキャラデザなのか……! 昔minoriに関わってた人豪華すぎ……!

 

新海さんの旧作品として、表のメディアでは意図的に無視されるminoriゲーのOPですが、新海さんのテイストが濃ゆく濃ゆく詰まっているので是非見てください。

特に「はるのあしおと」とZ会の「クロスロード」は必見ですよ!

 

※なんか誤解に基づいて書いたことが広がりを見せつつあるので修正。

君の名は。は一般向け作品なのか

アクセスログを見てると、どうやら「この作品って自分でも楽しめるのかな?」といった動機で検索されてここにたどり着く人が多いようです。

個々人の事情まではわかりませんが、私から言えるのは「この作品に興味を持って検索している時点で、貴方はこの作品を楽しめる人だ」ということです。

騙されたと思って映画館に行って下さい。

※ここまで追記

 

目が覚めると、新海さんの作品が大ヒットしてメジャー監督になる夢を見ていた気がする。

んなわけないと思ってニュース検索してみたら、なんか今日も興行44億とかわけのわからんことが書いてある。

そんな経験、前からの新海ファンならここ二週間ほどしているはず……てか、多分新海さん自身がそんな感じなんじゃなかろうかw

さて、自分も見てきてから一週間たつし、このスパム状態を終わらせるべく叩かれそうなことでも書こうかと思う。

※以下、ネタバレつーか未見の人には徹底的に誤解されそうなことを書きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※いいですね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この映画は、パンチラありブラチラあり胸揺れあり、何度も胸は揉みしだくし、大人の事情光線はあるし、果ては巫女さんが白い液体をトロトロ口から出して、それを男の子が飲んじゃうような映画です。あとヒロインが「変態!」って叫びます」

こう書かれたら、どれだけ下品な映画かと思うだろう。でも嘘は言っていない。

ところが、どうやらこの映画は大ヒットしてるし、カップルで見に行くべきとか(いや、気の合う二人なら何見ても大丈夫だろうけど、付き合い始めとかでこれは実際きついと思うぞ)、子供にも見せられるとかいわれている。ついでに、文化庁補助金まで出ている。

今までの新海作品にはこうした要素はあまりなかった。星追うでお風呂に入っていたのはトトロのオマージュだろうし、特に星追うの製作時期はトトロのお風呂シーンも児童ポルノかとか騒がれていた時期でもある。(ちなみに新海さんが世に出たきっかけの一つに、石原慎太郎が「ほしのこえ」を見て絶賛したということがあったりする。

それから5年しかたってないけど、時代は変わってパンチラぐらい現実にもあるんだから描写したって悪く無いだろうという時代になった、と思う。「言の葉の庭」も男子高校生が合法的に年上お姉さんの生足を撫で回すために作られたような作品だが(ニコ生で本音漏らしちゃう新海さん……w)、「君の名は。」はもっと際どいシーンが多いのは上に上げたとおり。なお、生足も相変わらず艶めかしいです。自分はローファーフェチで多分新海さんも好きなのでいつも注目して……いや、脱線脱線。

前作よりも上映規模が拡大した映画でむしろ微エロなシーンを増やしたのは、よりオタク向けとして作ったんではないのか、という気がするのです。絵柄も一般的なアニメ絵になったし、珍しくろりっこも出てくるし。どちらかとうと今までのほうが上品に作られていたし、NHK教育に出しても恥ずかしくない内容だった。

でも、皆さん御存知の通り教育テレビとか文部省推薦(あえて旧名)なんて、大人の事情が多すぎてつまらないよね?

要はこのヒットの原因って、「一般向け」「大衆向け」という誰にも響かない作品ではなく、宮崎アニメなら見ているよ程度のライトなオタクから、新海作品15年来のディープなファンまで、アニメの文脈を理解できる人全てに向けて作られてるからじゃないかと思うんです。

そして、大人たちが気づかないうちに今の10代~20代は大体この中に入っちゃっている。そして、嘘くさい上品さより、清濁両面あるリアリティを求めていたから、こんだけ色々サービスシーンやらフェチなシーン入れても大きく叩かれることなくヒットしてるんだと思う。

前も書いたように新海さんはエロゲのOPも作ったりしていましたし、既存のアニメスタジオに所属したこともないわけで、今まで「一般向けアニメ」に課せられていた表現の自主規制に囚われるつもりは毛頭なかったんじゃないかと思います。

というか、これが一般向けならどっかで横槍が入っていた可能性が高いわけで、関係者含めて誰も一般向けだと思ってなかったんじゃないかな。小学生とかに見せるのは多少無理があって、それよりは対象年齢高めな映画だと思う。夏休みの盛期を公開時期から外したのもそういう意図かも。

やっぱり新海さんは宮﨑駿のポジションには座れないと思う。パヤオロリコンだけどそれを子供向けアニメの皮でしっかり覆い隠してた。新海さんは……隠し切れてないw

アニメを最初に見る子供にはみせちゃいけない、でも深夜アニメみたいなディープなところまでいかない、橋渡し的な位置づけになるんじゃないかな。一般向けとオタク向けのアニメはかつては全然別で、今はかなりお互い近づいてきたとはいえその違いははっきりしていますが、「君の名は。」以後はこの区別はかなりシームレスなものになると思う。まぁ、けいおんNHKが夕方にやり始めたり世の中全体そういう動きになってますが。

そして、こんなアニメ全体のジャンル分けを書き換えるような映画に補助金を出した文化庁GJ。

君の名は。 と凪のあすから

いや、好きなアニメだから並べてみただけじゃなくて。新海さんのツイッタ見に行ったらこんなことが書いてあるじゃないですか。

!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 マジびっくり。劇場で本編見た時よりびっくり(大げさ

 

まぁおそらくはクロスロードの曲と同じアルバムに入っていたために聞かれたのでしょうが、意外なつながりにびっくりです。いやぁびっくり。

もし凪のあすから本編も見ておられるとしたら……四葉のしっかりロリっぷりって、美海が原型なんですかね?

中盤で急転直下するストーリー展開にも影響あったりするかな。

何しろ全部が大好きな凪あすの中でも一番好きな曲なので、新海さんも好きというだけでも嬉しくなってそれだけのことで記事にしてしまいました。

そろそろこの君の名は。関連記事スパムやめようかと思ってたのに……まだまだ続きそう

 

13日追記:よくよく調べると、新海さんの仕事場アンサー・スタジオが凪あすの制作にも関わっていたことを発見。そっちのつながりもあり得る……?

君の名は。で新海誠監督を知った人へのリンク集

意外と多くの人にとって初めて知った名前だったらしい新海さん。かなり前から国内外でアニメ好きには知られていたのですが。

今までに映画を5作発表しています。そのハイライトが以下にまとめられています(後半は「君の名は。」の予告です。

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よく出来たMADだと思ってたら東宝だった。公式が神。

言の葉の庭」(2013)は今Gyaoで無料で見れるので、とりあえず新海さんの他作品も見たい! という人にとりあえずおすすめ。これを見てから「君の名は。」をもう一度見ると嬉しい発見があります。

続いておすすめなのは秒速…といいたいですが、あえて「雲のむこう、約束の場所」(2004)を推します。自分が好きなのもあるけど、「言の葉の庭」や「秒速5センチメートル」であえて抑えられているSFやファンタジー要素を前面に押し出していますので、「君の名は。」に続く系譜を見る上で一番近いと思うからです。秒速と言の葉は見たことがある、という人も多いので、そういう人にもまず見てほしい! あなたの知らない新海さんがいますよ。

秒速5センチメートル」(2007)は新海さんの出世作。これで世界的に有名になりましたね。ただ、「ヲタを殺すに刃物は要らぬ、秒速と耳すまあればよい」と言うほど(今思いついた)心えぐられる作品でもあります。(ん、コメントが短いな。何を書こうとネタバレになっちゃいそうで、とりあえず見ろ! 的作品です。

ほしのこえ」(2002)はより新海作品の源流に近く、自主制作アニメとは思えないクオリティで一部で話題沸騰したそうです。その頃のことは流石に知らないのですが…… 新海さんの作品を通して貫かれているものが無骨で直接的ながら、より純粋に表現されている作品でもあります。14年前ということで多少時代を感じるところもあります。

最後に「星を追う子ども」(2011)なんですが……かなり賛否両論あった作品。どうしてもジ◯リの名前を出さずに論評できない。自己流から脱するために他人の手法を模倣して乗り越えきれなかったとでもいいましょうか。むしろ独自性のある部分には新海さんらしい新風があって見どころがあると思うのですが。これから過去作の映画を全部見たい人は、最後に見て自分の評価を確立してほしいなぁと思います。一つ確かに言えるのは、これがなければ「君の名は。」もありえなかっただろうということです。

 

新海さんは映画以外にも色々作ってます。こちらはTVCM集

 

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タイトルの誤字は削除対策なのかな? まぁ法的にあれでも、自社のCMをもっと見たいと言われて嫌がる企業はないと思うのですが。

 

最初に収録されている「クロスロード」は「君の名は。」と似たテーマだと話題ですね。「だれかのまなざし」も、新海さんが親を描くのが珍しいので「君の名は。」に繋がるものがありそうですね。

※ACのCMは新海さんではなく、言の葉の美麗ポスターを描かれた四宮義俊さん監督です。(NHKも新海作品の後にこれ見よがしに放送したり紛らわしいことをしてくれます……)

 

ほしのこえ」より前に作られた自主制作アニメが「彼女と彼女の猫」(2000)

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これ、上げてるのは新海さん本人ですよね? 違ったらリンクは外しますが……

白黒ですが、それがむしろ作品世界の純粋さを際立たせています。原点にして最高傑作という声まであります。色褪せない魅力がありますよね。

 

そして私が新海さんを知った、efのオープニングムービー。

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minoriの公式サイトに注意書きがあったので追記します。

http://www.minori.ph/lineup/ef/download.html からWMV形式のムービーもダウンロードできます(※一応、18禁)

って書いてあったからリンク貼ったけど、落としてみるにはかなりわかりにくいリンクをたどる必要が……)

 

純粋な新海作品というわけではないですが、その後の作品で似たシーンが出てくる場面も…… 映像の美麗さと迫力では新海作品中でも1,2を争う出来だと思います。

雲のむこう、ef、秒速と続いたこの辺りが新海さん×天門さんの黄金期だったんですかねぇ。星を追う、まで天門さんは新海映画の音楽をずっと作っていました。それが最後かと思っていたのですが、大成建設のCMのスリランカ編も天門さんの作の模様。ということは今後もまたこのコラボに出会える可能性は残されている……のでしょうか。

今回「君の名は。」の音楽をつくったRADWIMPSのインタビューでは参考にしたものは特にないと言ってましたが、新海さんの過去作を見ているならそこには天門さんの大きな影響があったと思います。

改めて見ると、新海さんの過去作全てが今作「君の名は。」につながっています。もっと古いminoriファルコムの映像からも繋がるものがあるかもしれません。

是非色んな作品をみて、そしてこれからも新海監督を応援してください!

 

君の名は。 二度見!

こんなに短期間に二度見することになるとは・・・いやぁ発作がとまらなくて(ぁ

ネタバレはほとんどないですが、相変わらず見た後のほうが楽しめる記事になります。

 

前回があまりに超満員すぎたので、近所の小さめの映画館へ。それでも平日のこの映画館にしてはかなり人が来ている。

客層も観察する余裕があったので書いておくと、カポーが二三組、男女5~6人のグループが二組、あとは同性二三人の気の合う友達グループ10組くらいと、タイトルで間違えて来たと思われる老婦人二人、おひとり様も10人くらい。

やっぱり価値観の似ている友達同士で見るのが一番でしょうね。秒速みたいに男女で評価が天地の差ってこともないだろうけど、やっぱりかなり別の感想を持ちそうだし。別に男女仲が悪くなりはしないけど、そこまで感想で盛り上がれない気がする。

そしてJK三人組(ちなみに一人が二度見であとの二人を連れて来たっぽい)が目の前に座ったので、半分以上彼女たちを観察してました。結果は以下

OP開始→えー・・・(見に来る映画間違えた? 深夜アニメ系?

モミっ→ヒャッ

トロー→うわー

あの男/女は!→クスッ

モミモミっ→フハハ…(呆れ笑い

参考サイト♡→アハハ…(自嘲笑い

おかけになった電話番号はー→(このあたりで無言硬直に

名前を見つける→ヒィィッ!

回想シーン→わぁっ

モミモミモミ…→キャハハッ!

やろうぜ俺たちで!→オォ

ペンを落とす→キャアッ!

爆発→ォォオオ!

ラストまで→涙を流す音

とまぁ、こんな感じです。モミモミの度に反応が変わるのが面白かった。下品も堂々とやれば恥ずかしくない、ってことかなぁ?

OPは蛇足っちゃ蛇足かもだけど、あれだけネタバレOPのように見せておいて肝心なことはなにもバラしてないのがすごい。

 

気づいたことはー

・予告だと三葉と瀧とどっちも「入れ替わってる!?」というシーン、本編だとやっぱり三葉は「入れ替わっる!?」でした。同じシーンに見えてもほかにも違いがあったりする?

・月!出てくるたびになんか意味深に変化してる!

・写真展にはほかに「山陸」のコーナーが。つまりあの写真展の風景はすべて・・・

・おばあちゃんとお父さんの反応、電車の件についてはネタバレ編で書いた通りのことの確信を深めました。

・学校がある日っていうのも入れ替わりの条件?

・三葉が寝るときもブラをするようになった

・男三葉マジカワイイ

 

こんなところで。結構ネタバレしてるけど見てない人には何のことやらわからないはず!

そして発作は収まるどころかまた再発しそうです。

君の名は。 ネタバレと妄想編

我慢できなくて夜も書く!

今回はネタバレというか、見てないとわからないネタ満載で書きます。

 

1.なんで親父さん説得できたの?

見た感じ、ここが結構議論が分かれてるみたいなんですよねー

確かに劇場で見てた時は、ここから怒涛の親子の和解! ……が描かれるんだろうと思ってたらなくて肩透かしだったんですが、後から思い出すと違うんですよね。

おばあちゃんの「そんなこと誰も信じん」という台詞、おばあちゃんも信じなかったと解釈してる人が多いですが、これ、おばあちゃんは信じたと思いますよ。ただ常識として、それじゃほかの人に認めさせることはできんぞ、と言っただけで。

お父さんはもっと立場があって、しかも男だしw そんな優しい台詞は言えないんです。でも、「おまえは誰だ?」なんて、実の娘を前に普通言いませんよね? 目の前に立ってるのが娘の体をした別人であることに気づいてる。お父さんは民俗学者だったことが「謎の避難訓練」を伝える雑誌にちょこっと書いてある。

そして犬猿の仲だったはずのお父さんとおばあちゃんは、電波ジャック騒ぎの中で町長室に額を突き合わせて深刻に話し合っているのです。この時点で、四葉を加えた三人は入れ替わり(というより、周囲から見たら「神懸かり」)を起こした三葉の言ってることが正しいと確信してるんだと思います。

ただ、公人としての町長を動かすには一押しが足りなかった。そこに娘がやってきて、消滅した町を見てきた、と伝えるだけでたぶん町長は「突然の避難指示」に奔走しだしたんじゃないかなって思います。

 

あとこの作品をSFだって言ってる人が結構多いんですが……それ、スコシ・フシギ的な意味だよね? まったく科学要素がないんですけど。

てか、新海さんなのにSFだ! とか「秒速」「言の葉」しか見たことがない人が言ってるのもなんかアイタタ。

二回前の記事でもこれを「和ファンタジー」って書いたけど、別の言い方をすると「現代の神話」だと思う。伝奇っていうとちょっとホラーがあるようなのを感じて違うと思うけど。いやでも死者と交信するのは十分ホラーか。新海マジックの映像美に騙されてるだけで。

で、現代の神話という視点でこの物語のあらすじを再編成すると、1200年周期でやってくる彗星による町の滅びを前に、一人の少女に神懸かりがおきて、未来人の人格と入れ替わって町を救う物語、ということになる。

瀧のほうにも入れ替わりがあったのは全くの余禄で、物語の中心にいるのは三葉のほうなんですよねw

ついでに瀧のその後は割と描かれましたが、再会までの三葉のことはあまり描かれてないので妄想してみます。

瀧の奇行は周囲から見ても「あいつなんかおかしかったよな」で済むんですが、三葉のほうは町を救っちゃったんだからそうもいきません。家族や友人二人はもちろん、ほかのクラスメートや役場の人(娘が来た後に町長が豹変したのを見ている)も、あの強引な避難指示のトリガーが三葉だってことをわかってるはずです。

でも週刊誌には町長の思い付きによる強引な避難訓練だと書かれている。これは関係者全員が三葉を好奇の視線から守るために口裏を合わせた結果だとしか思えません。山村コミュニティのやさしさの一方、三葉はなんか特別扱いされることに耐えられなくなるんじゃないかなぁ。

飛騨の山奥から東京に友達も三人とも上京してるのは、考えてみたらあまり普通じゃない。特にテッシーは地元志向が強そうだったし、普通に高山あたりで暮らしててもおかしくない。飛騨からなら進学先もまず名古屋、京都だろうし。東京はもうちょっと遠い憧れの存在みたいな感じでは。だから三葉も「東京のイケメン男子!」と叫んだのであって、東京が手近な存在であれば、憧れの対象は「ベルリンの金髪碧眼!」であったはず……いやそれはない?(申し訳程度のドイツ要素

話を戻すと三人が東京暮らしをしてるのは、三葉が東京の記憶に焦がれ続け、糸守出身者のコミュニティーからも離れたくて上京したためで、あとの二人は三葉についてきたんだと思います。

テッシーの心境もなんとなくぐっとくる。好きな子が神懸かり的なことを言い出して、ノリで付き合い始めたら本当に神懸かりで、しかもその最中に「アイツの名前が思い出せん!」なんて言われるなんて、失恋ですよ。でもテッシーはそのことで「アイツってだれだよ!」とか女子みたいな問い詰め方はしないw 最後まで三葉の味方をして背中をおす。

ここから前言を翻してSF的な話にもなるんですが、もし彗星災害の直後に三葉が上京して瀧と会っちゃうと世界がタイムパラドックスの渦に巻き込まれるんじゃうんですよね。でもそれをしなかったのは、誰かがそのことを指摘したんじゃないかなと。それはテッシーしかいないと思うんですよ。三葉が出会ったのは三年後のアイツなんだから、それまで会いに行っちゃいけない、って。

うーむテッシーぐう有能。

あと瀧は三葉のことをほとんど忘れてしまっていますが、三葉のほうは名前こそ忘れましたがもっといろいろ覚えてると思います。またSF的言葉(ってかシュタゲ語)になりますが、瀧のスマホに直前まであった三葉の日記がいきなり消滅したのは「世界線のズレを観測してしまったから」でしょう。瀧のしたことは過去改変なので。

一方で三葉からすると一連の出来事は未来の運命を変えただけなので、瀧がやってきて入れ替わった事実そのものは変わらない。というか、それがないと三葉生存の世界線が成立しない。だから、瀧が書き残したノートの落書きとか、三葉の誰かと入れ替わっていた記憶とかは、薄れながらも消滅せずに残ったんだと思います。

だいたい、瀧は巫女能力で召喚された被害者なのに対して、三葉は能力発揮した主犯だしw

でも瀧が「東京のイケメンだったら誰でもよかった」ってのはどうなんでしょうね。3年前の彗星のことを忘れるくらい今を全力で生きてて(ってか、感想見ててもチェリャビンスクのことに触れてる人がほとんどいないのは、現実に3年前の出来事が薄れるのってこんなに早いものなの? って気分に)、町を救う行動力があって、そして何より命を懸けられるほど三葉を好きになる運命を背負った男じゃないとダメだったはずです。

まさに神様の神人選ですよ。

 

2.電車がおかしい

いろいろ言われてるけど……まぁ自分も鉄の端くれだし。でも新海さんが今まで鉄道描写に拘ってきたことを思うと、ミスだらけというのは信じがたい。

というのも、私は劇場で「東京駅に向かう三葉の新幹線の右手に東京タワーが見えて後方へ通り過ぎる」というシーンに気づいてうん? って思ってたんですよね。

ほかの人はもっと気づいてて、「飛騨古川の2番線に特急が入線していて、しかも進行方向が逆」「同方向に走っていたはずの二人の乗った電車が千駄ヶ谷と新宿に到着」あともう一つくらい指摘されてましたが……とにかく、多すぎる。加えて、飛騨古川のシーンを見ると光線が逆で、北から太陽が当たっていることになっている。

ここまでくると、これはわざとだとみるのが正しいのでは。

それを単に、フィクションの空間であることを明示するために仕込んだ、と考えることもできますけど別解釈をしてみます。

すなわち「今作に登場する電車(列車)は、ただの鉄道ではない。出会うはずのない人生が触れ合う神秘的な空間だ」というもの。

実際まぁ電車ってそういう空間じゃないですか。全く違う人の人生にちょっと触れることができる場所。時々運命の人を見つけちゃう人も実際いそうだし。そうした要素をもっと純化した空間として、舞台装置として電車内を使っているんだ、という解釈。

三葉が(時系列的に)最初に瀧に会いに行くとき、新幹線を使って上京して、なぜか地理的にはおかしな方向から東京につく。そして四谷近辺の鉄道を乗り回して、瀧に出会うのは電車の中。電車の中で話しかけて、電車を降りたらもう二人の縁は途切れてしまう。でも名前を聞くことで、組紐を電車の中に投げ渡すことで、出会うはずのなかった二人の縁が繋がれるんです。こう見ると、電車の中と外は別の異空間として描かれている。

瀧が飛騨に行くときも、特急は逆方向から駅に着くんです。ひょっとすると飛騨という舞台設定も、東京に鉄道でしか行けない秘境、ということで選ばれたのかも。

二つの人生を繋ぐ装置である列車は、現実の鉄道線路ではなく神秘的な精神のトンネルを抜けて目的地にたどり着く……

そう考えたら、歩道橋ですれ違っても気づかなかった二人が、電車内から窓越しに見たときには気づくというのも納得できる話ではないですか?

 

しかし危なかったなぁ二人。そこで西に向かって参宮橋へ行ってたら永遠に出会えないフラグが立ってたぞw